2024年7月10日に、静岡県の海から沖に流された20代の女性が約37時間漂流ののち
80キロ離れた千葉県南房総の沖合で救助されました。
約37時間もの間、海を漂流し奇跡の生還をはたしたのです。
20代女性は2度の夜を超えて南房総沖を漂っていましたが、
彼女の身の回りでどんな奇跡が起こったのでしょうか?
生還の秘訣はなんだったのでしょう?
【海の漂流事故】約37時間の漂流の末救助された20代女性が生還した理由!
低体温症を発症しなかった
静岡県水産・海洋技術研究所によると行方不明になった静岡県の海水温(午前9時)は
- 8日は23.5度
- 9日は22.7度
- 10日は22.3度
- この3日間は23度前後
水温が20度から25度の場合、意識不明に至るまでは2時間から12時間というデータがあります
7月9日の気温は25℃から32℃だったようですが、猛暑だったのにも関わらず
水温は23度前後と低かったとわかります。
さらに、深夜から朝方にかけての冷える時間に低体温症にならなかったという
20代女性の生命力がすごかったのでしょう。
熱中症にならなかった
発見された20代女性は、脱水症状がみられるものの意識ははっきりしていて、
命に別状はなく入院の必要もなかったようです。
海で漂流してたとしても、熱中症のリスクはあったはずです。
20代女性は、海水につかったり出たりして、自分で調節していたのかもしれません。
浮き輪に体を入れていた
発見されたときも、女性は浮き輪に体を入れていたままだったようです。
浮き輪に体を入れたまま漂流していたことが発見につながったのでしょうね!
浮き輪から体が投げ出されてしまっていたら、自分で泳ぎ続けないといけません。
約37時間もの間、泳ぎ続けるなんて不可能ですよね?
運よく貨物船に発見された
漂流した海域は、世界でも有数の通過する船舶の多いところだったようです。
船の高速道路のような場所だったようですね。
たまたま通りかかった貨物船乗組員により発見され、タンカー船員により救助されています。
発見されたのが朝の時間帯だったというのも、多くの船が通行する時間帯だったという事です。
漂流していた海域が、発見されるのに好条件が重なった海域だったといえます。
船の下敷きにならずにすんだ
ただ浮き輪に体を入れて浮かんでいるだけでは、船から見ると何が浮いているかわかりません。
もし運が悪かったら、通りかかった船の下敷き(船にひかれる)のリスクもあったという事です。
天候が悪化しなかった
大雨などの悪天候にならなかったことより、海が荒れないですみました。
【海の漂流事故】約37時間の漂流の末救助された20代女性からの聞き取りにより分かったこと
泳ぎ始めてから30分ぐらいたったあとに流されていることに気がつき、必死に戻ろうとしたが戻れなかった
警察や海上保安部は、潮の流れや風によって流されたとみて調べています。
浮き輪に乗って海に浮かんでいただけなのに、
特にこれから海水浴シーズンなので、『浮き輪があるから安心』と油断せず
絶対にお子さんから目を離さないようにしましょう。
【海の漂流事故】生死をわける7つの生還の秘訣!
今回の漂流事故でも言えることですが、
「奇跡的」と言っても、生還に至ったのにはそれなりの理由があるはずです。
漂流という絶望的な状況から、
生還を果たすのにはどんな能力が必要なのでしょうか?
覚悟を決める
海での漂流事故というのは人目につかず、救助の方法が少ないので孤独で壮絶です。
奇跡の生還を成し遂げるためには、覚悟を決めることです。
とてつもなく大きい海に向かい合う覚悟を持つことです。
生きる希望を持ち続ける
漂流事故に限らず言えることです。
望みを捨てたら終わりです。
決して諦めないことが重要です。
特に大事なのは水!
水だけあれば40日は生きられます。
食料がなくても水だけで40日は生き延びれますので安心してください。
海水は飲んではいけません。
体内の塩分濃度が一気に上がり
最悪の場合、細胞が脱水症状を起こして死んでしまうこともあります。
雨水は最大限利用してOKです。
体温の維持が課題
体温が30℃を下回ると生存は急激に難しくなります。
低体温症は体温が35 度以下になる状態で、
各種の身体的不調が生じ、さらに生命の危険に及ぶ場合もあります。
36.5~35℃ | 手足の指の動きが鈍くなる 皮膚の感覚が少しずつ麻痺する | 寒気がして、骨格筋のふるえがはじまる
35~34℃ | 筋力低下 うわごとをいいだす | 運動失調
34~32℃ | 頻呼吸、意識障害を起こす | 歩行不能
32~30℃ | 錯乱状態 | 骨格筋のふるえが消失する
30℃以下 | 心臓の筋肉が刺激されやすくなるので心室細動が起こりやすくなる | 意識低下が進み、瞳孔散大する
体力を温存する
むやみに動き回らずに体力を温存します。
他に人がいる場合は支え合う
他に人がいるなら支え合いましょう。
単独行動は厳禁です。
仲間が多いほど生還率は上がります。
強いメンタル
メンタルがまいってしまっては負けです。
陸地の影もかたちも見当たらない大海原で、頼れるものは自分だけです。
まとめ
あって欲しくはないですが、万が一のことがあります。
海で漂流することがあるかもしれませんし、
川で漂流することがあるかもしれません。
人生は思いもよらないことが起こるものです。
知識があるのとないのとでは月とスッポンの差です。
海の漂流事故が起こった場合の対処方法を家族で話し合っておくことをオススメします!